腱鞘炎

腱鞘炎とは、手指を動かす腱(けん)を収めているトンネルである鞘(さや)に起きる炎症である。ばね指やド・ケルバン病(狭窄性腱鞘炎)などいくつかのタイプのものが存在するらしい。

腱鞘炎の診断には、専門医にかかることが不可欠であるが、簡易な診断方法としてフィンケルスタインテストと呼ばれるものがあるらしい。
「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる
http://www.joa.or.jp/jp/public/sick/condition/de_quervain_disease.html

腱鞘炎の原因は、一般的にはタイピング業務や楽器の練習などによる指の酷使とされている。しかし、原因としてはさまざまなものが考えられており、腱鞘炎といっても一括りに語れないという意見もある。指の酷使だけが原因ではない傍証として、あまり熱心にピアノの練習をしていなくても腱鞘炎にかかることがあるほか、更年期になると発症しやすい事実もある。体質による個人差および加齢や生活習慣によるホルモンバランスの悪化もあるのだと考えられる。

腱鞘炎の治療法としては、絶対安静と抗炎症剤による治療がメジャーらしい。進行すると、ステロイド剤の注射や皮膚を切開して腱を解放する手術が必要となる。いずれにせよ、最重要なのは手指の絶対安静であるという。他のセルフケアとしては、ストレッチが指導されることもある。それから、湿布による治療法として、指の酷使直後には患部を冷湿布で冷やし、そうでない時には温湿布で温める方法もある。ただし、湿布に含まれる鎮痛剤が胃腸障害を引き起こしてかえって腱鞘炎が悪化することもあるという。最後に、手技によるマッサージは、軽度なうちは有効なこともあるが、的外れなこともあるから自分だけで治そうとせず医師にかかることが不可欠だろう。