背中を温める

背中を温めることには、さまざまな健康効果があるらしい。

まずは、体を温める効果。背中は体の部位のなかでも温めることによる冷え改善効果の高い部位らしい。なぜなら、心臓から出た大動脈は背部を経由して腹部に到達するから、背中を温めることで全身に回る血液が温まるという理由なのだという。また、もう1つの理由として、背中には褐色脂肪細胞が多く分布しているため、背中を温めることで体温があがるという仕組みもあるらしい。

つぎに、脂肪燃焼効果。背中には褐色脂肪細胞が多いため、背中を温めることで脂肪が燃焼されやすくなるらしい。岩盤浴は、この効果に着目した、背中を温める民間療法と位置づけられるのだという。

それから、自律神経を整える効果。背中には脊髄が走行しており、全身の機能を司っている。しかし、脊椎の周辺の筋肉に緊張があるなどして歪みが生じていると、脊髄が圧迫されて、中枢神経の伝達に問題が生じるのだという。そこで、背中を温めることで、筋肉をほぐして、神経伝達を良くする効果があるらしい。なかでも、自律神経のバランスを調整する効果が高いらしい。

さらに、今触れたとおり、脊椎の周辺の緊張をほぐして、背骨のコリや歪みを緩和する効果もあるらしい。運動療法と併用すれば、背骨や胴体の動きが改善されて、運動がしやすくなる、呼吸が深くなるといった効果が期待できるかもしれない。

最後に、自律神経系の改善とも関連して、免疫系を強化する効果もあるらしい。一般に、自律神経系と内分泌系と免疫系の三者は密接に関連しており、自律神経系の働きが改善することで、免疫系や内分泌系の働きも高まる。ただ、背中を温めることの効果に着目した場合は、とりわけ免疫系の強化が期待できるらしい。応用例として、免疫療法では、免疫を司る腹部を温めるだけでなく、背中の加熱も頻繁におこなわれる。東洋医学では、背中の肩甲骨の間には風門という経穴があり、風邪の特効ツボとして知られているらしい。だから、風邪を引いたら背中を温めるのが非常に効果的なのだという。